変形性膝関節症に対する再生医療SPINE REGENERATION

変形性膝関節症とは

変形性膝関節症とは

変形性膝関節症は、腰痛と並び、特に女性に多くみられる悩みの一つです。大腿骨と下腿骨を覆う関節軟骨が劣化し、摩耗や欠損が生じると、滑らかな関節面が失われ、骨同士がこすれ合って炎症痛みが起こります。さらに、関節包滑液包、靭帯、筋肉など、周囲の軟部組織からも痛みが生じることがあります。

両膝高度内反変形に対する人工膝関節置換術TKA

両膝高度内反変形に対する人工膝関節置換術TKA

立位でO脚が増強し内側に疼痛 人工膝関節置換術により無痛

立位ではO脚が強くなり、膝の内側に痛みが生じやすくなります。人工膝関節置換術により痛みなく歩けるようになりますが、一部の方では術後も軟部組織の炎症が続くことがあります。手術前軟部組織への再生医療を行っておくことで、こうした炎症を予防しやすくなります。

変形性膝関節症の損傷程度と治療法の概略

変形性膝関節症の損傷程度と治療法の概略

人工膝関節置換術
大腿骨と脛骨の内側のみを置換する片側膝関節置換術(UKA)と、関節全体を置換する全人工膝関節置換術(TKA)の2種類があります。

高位骨切り術
O脚矯正手術は、症状の改善と変形進行の予防に有益です。

内視鏡
半月板部分切除、軟骨の遊離体摘出、関節内洗浄などが行われます。

iPS細胞抽出成分
関節内投与の有効率は、自家iPS細胞抽出成分で約85%、他家iPS細胞抽出成分で約80%といわれており、繰り返し行うことが可能です。

自己脂肪由来幹細胞
脂肪由来幹細胞は年齢に左右されにくく高い増殖力を有しており、膝再生治療に有効な方法です。その結果、手術回避できる場合もあります。

乳歯髄幹細胞培養上清液
若年期の幹細胞は活性が高く、そこから得られる培養上清液も質が良いため、年齢に関わらず関節注射に利用することができます。

多血小板血漿APS
自己の濃縮血小板を注入することで膝の痛みは軽減しますが、50歳以上では血小板機能が低下するため、効果が弱くなる傾向があります。

姿勢矯正・鍼治療
股関節内旋や足関節内反といったアライメント異常を調整し、膝内側の鵞足部に生じた筋の炎症や拘縮を、鍼治療によって根本から整えます。

ヒアルロン酸
変形性が軽度の場合には、軟骨細胞に潤いを与え滑りやすくします。

リハビリ
鎮痛を目的とした物理療法、関節可動域の改善、筋力増強は、いずれのステージにおいても基礎となる治療法です。

自己脂肪由来幹細胞は膝の損傷組織を修復・再生します

自己脂肪由来幹細胞を膝関節内に半年ごとに3回注入したMRI像です

 自己脂肪由来幹細胞を膝関節内に半年ごとに3回注入したMRI像です

左図は治療前の所見で、軟骨下骨髄が白く描出され、広範な細胞性壊死を認めます。

右図は2年後のMRI所見で、白色高信号域は著明に縮小し、骨髄組織の修復・改善が認められます

MRIの側面像では膝関節軟骨面の修復像が認められます

MRIの側面像では膝関節軟骨面の修復像が認められます

左図は治療前の所見で、軟骨面が欠損して黒く描出され、その部位に白く液体貯留が認められます。

右図は治療3回後、2年経過時のMRI像で、軟骨の再生が認められます。

自己脂肪由来幹細胞による膝関節注射の2つの主な効果

  1. 抗炎症・鎮痛効果
    幹細胞から持続的に分泌される生理活性物質(サイトイン・エクソソーム等)が炎症を抑え、痛みを軽減します。手術を迷っていた方でも、手術をせずに膝の状態が改善したケースが多く報告されています。
  2. 軟骨・骨髄再生
    軟骨や骨髄の再生が確認される例も報告されていますが、すべての方に同様の変化がみられるわけではありません。それでも、多くの方で痛みなどの症状が改善し、日常生活が楽になったと実感されています。